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庭園全景(表書院より)
藤戸石(純浄観より)
特別名勝醍醐寺三宝院庭園

所在地:京都市伏見区醍醐東大路町
指定年月日:昭和2年6月14日 史跡及び名勝指定
      昭和27年3月29日 特別史跡及び特別名勝指定
所有者:宗教法人醍醐寺
公開:常時公開
ホームページ:https://www.daigoji.or.jp/


【庭園の概要】
 醍醐寺は京都盆地南東の笠取山に位置し、山頂一帯を「上醍醐」山裾を「下醍醐」とそれぞれ称されています。三宝院は「下醍醐」西門の北東、表参道より北側に位置し、永久3年(1115)に創建された醍醐寺の本坊的な存在で、歴代座主が居住する坊です。
 三宝院庭園は、慶長3年(1598)、豊臣秀吉が自ら縄張りをなし、旧庭を改修して築いた庭園です。桃山時代の庭園によく見られる豪壮な石組護岸をもつ園池を中心とし、池中の中島には9つの橋が架けられ、池辺の築山には多数の景石が配されています。これら景石のひとつが、室町時代から権力者の象徴として広く知られた名石「藤戸石」です。この名石を聚楽第から移したことからも、秀吉が三宝院庭園の築造にいかに力を注いでいたことかと想像することができます。また、三宝院には多くの重要文化財建造物が現存しており、庭園の全貌を見渡せるに面した表書院は、寝殿造りの特徴をよく残す時代を代表する建造物として、国宝に指定されています。


【整備事業の概要】
 三宝院庭園では、護岸石組の緩みや植栽の繁茂、構造物の劣化など、経年変化による修理が必要な時期を迎えていたことと合わせ、開山から一千百年の遠忌大法要を控えていたことから、平成12年度より保存修理事業を開始しました。
 事業の開始にあたっては、庭園実測図を作成し、護岸修理に際しては施工前後の測量図を作成しています。保存修理項目のうち、護岸石組については、工法検討において材料試験等も行いながら慎重に進められたため、事業途中ではありましたが〈園池編〉として、護岸修理完了後に報告書をまとめました。その後、事業後半においては、築山修理のほか、雨漏りが認められた茶室・枕流亭の保存修理などを行い、事業は平成25年度で完了しました。
 平成30年度には、地域に大きな被害をもたらした台風の被害を受け、災害工事を行っています。


【業務実績】
  《調査・測量》
    平成20年度 樹木調査・樹冠投影図作成
    平成22年度 庭園修理(護岸石組)完成後測量図作成(三次元測量)
  《設計・監理》
    平成14~25年度 保存修理事業/実施設計及び設計監理業務
    平成30~31年度 災害復旧工事/実施設計及び設計監理業務
  《報告書》
    平成22年度 保存修理事業報告書〈園池編〉作成業務
    平成25年度 保存修理事業報告書〈植栽・築山・茶室(枕流亭)編〉作成業務




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